過敏性腸症候群(IBS)は原因不明の便通異常がおこる病気です。
ストレスが原因といわれていますが、それも完全に証明されているわけではありません。
しかし、ストレスがきっかけになることはあり得ると思われます。
ストレスと便通異常を何度も経験するうちに結びつき、条件反射となってしまう。
IBSはパブロフの犬とよく似ていると思うのです。
【パブロフの犬とは】
パブロフの犬はご存知の通り、条件反射の有名な実験です。
条件反射(じょうけんはんしゃ)とは、動物において、訓練や経験によって後天的に獲得される反射行動のこと。
出 典:ウィキペディアの執筆者,2016,「条件反射」『ウィキペディア日本語版』
犬に餌を与えると同時にメトロノームを聞かせる。
それを何度も続けているうちに、餌がなくてもメトロノームがなるだけで犬は唾液を分泌するようになる。
体が条件を覚えて無意識に反応することを証明した実験ですね。
これを「ストレスと便通異常」に置き換えたらどうでしょうか。
【ストレスによって条件づけられた便通異常】
とあるストレスがあって一般的な生理現象として便通異常が起きた。
それはごく普通のことで、誰でも経験があると思います。
その「ストレス=便通異常」が何度も続いた結果、身体が条件として覚えてしまい、大元のストレスと違うはずの小さなストレスであっても条件反射で便通異常が起きるようになった。
これが過敏性腸症候群が発病する一つのプロセスだと思うのです。
臨床実験を行ったわけでも研究したわけでもありませんから、条件反射がIBSの原因の全てだとは考えていません。
しかし、十分ありうると思いませんか?
だとすると、条件反射を上書きすることでストレスと便通異常を切り離すことができるのではないでしょうか。
【心身の状態や環境を変えることでストレスと便通異常を切り離す】
当サイトで過敏性腸症候群の改善克服のために睡眠や食事、運動に気をつけたり、環境を変えたりすることを勧めるのは、すべてこの条件の上書きと切り離しが狙いです。
ただ健康的な生活を営むために生活習慣に気をつけるのではなく、ストレスを緩和して別の方法で解消することで『ストレス=便通異常』の条件反射を上書きしていくのです。
過敏性腸症候群の改善克服に取り組むなら、ぜひストレスと便通異常の関係を意識してみてください。
生活習慣や環境を見直す意味が変わってきます。