過敏性腸症候群(IBS)は、原因不明の便通異常が起こる病気です。
それだけでも厄介ですが、さらに悪循環ともいうべきサイクルが起こります。
過敏性腸症候群の改善・克服のためには、この悪循環を断って改善のための好循環に切り替えなくてはならないと考えられます。
そのためにも、過敏性腸症候群の悪循環について知っておきましょう。
ストレスで便通異常がおきるのは普通の生理現象
過敏性腸症候群(IBS)の原因はストレスだといわれています。
しかし、ストレスを感じたときにお腹を壊すこと自体は普通の生理現象です。
たとえば幼いとき、学校に行きたくないと思っていたら本当に腹痛をおこして休んだ、なんてことはありませんでしたか?
重大なプロジェクトや役職をまかされて緊張のあまりに下痢や便秘になった。
大切な試験や試合の当日、何度もトイレに行った。
そんな経験は、だれでも1度や2度はあるのではないでしょうか。
腸は第2の脳といわれるほど、感情やストレスなど心理的な影響を受けやすい器官です。
ストレスで便通異常を起こすのは自然な身体の反応です。病気でも何でもありません。
ただし、これがクセになってしまうと病気と考えられます。すなわち過敏性腸症候群です。
過敏性腸症候群の悪循環とは
人によって具体的な原因は違いますが、とにかく何らかの大きなストレスが続くことによって、ストレスと便通異常が結びつけられてしまった状態が過敏性腸症候群といえるのではないでしょうか。
「ストレス→便通異常」のパターンが何度も続く内に、まるでパブロフの犬のように「ストレス=便通異常」として身体が覚えてしまいます。
そうすると、もともとの発病原因となったストレスとなんの関係もない小さなストレスであっても、条件反射のように過敏に腸が反応して下痢や便秘を引き起こすと考えられます。
こうなってしまうと、ちょっとしたストレスに対しても気を使います。
いつも環境や状況の変化にビクビクしなくてはなりません。
当然それもストレスになり、便通異常が頻繁に起こるようになります。
そんな症状の悪化がさらにストレスになります。もちろんそれも便通異常につながります。
もう完全なエンドレス状態。
これが過敏性腸症候群の悪循環です。
楽しむ心で過敏性腸症候群の悪循環を断ち切ろう!
過敏性腸症候群(IBS)の厄介な点は、一度悪循環にはまると容易に抜け出せないので、時間が経てば経つほど慢性化の度合いがひどくなっていくことです。
この悪循環から抜け出すには、対抗できるだけのポジティブな意思やエネルギーを持たなくてはなりません。
当サイトの記事の中で何度も「楽しめることを探そう!」「楽しんで取り組もう!」とすすめるのは、楽しむこと自体が悪循環を断ち切るポジティブなエネルギーに他ならないからです。
睡眠にしろ、運動にしろ、食事にしろ、IBS改善のために取り組む事柄すべてに「楽しい!」を意識的に組み込んでください。
それこそが過敏性腸症候群の悪循環から一歩抜け出して、改善行為を長続きさせますし、克服につながっていく大切な要因なのです。